夏井の乙女ゲー攻略日記

乙女ゲームについて思った事やプレイ日記を書くブログです Twitter@natsui4989

わたしとインターネット

はてなインターネット文学賞「わたしとインターネット」

今回はいつものゲームについての感想ではなく、少し面白い企画を見つけたのでそちらをかいてみようと思う。(言葉も文学風で)

私が初めてインターネットもといパソコンに触れたのは約20年前、幼稚園の年長の時だったように思う。
父が初めて購入したノートパソコン。きっと年賀状作成のために買ったのだろう。デスクワークを主とした仕事をしているわけではない父が人差し指で一つずつキーをゆっくりをタッチしていたのを覚えている。
そしてたまに私にも人気キャラクターのゲームをそのパソコンで遊ばせてくれていたのも覚えている。

次に転機となった小学校4年生。ピアノ教室に通っていた私は練習嫌いでいつもピアノの先生に叱られ泣きながらレッスンに通っていた。それを気にした母に「あなたはピアノは向いていない。こっちに習い事を変えたらどうか」と見せてきた新聞の折り込みチラシ。近所のパソコン教室のチラシだった。そこで妹とピアノ教室に通い始めることになった。
そこには新しい世界が広がっていた。たくさん練習したタイピング。思った文章がすぐにきれいに打てた。教えてもらったWord、Excel。思うように自分の好きなように作ることが出来た。そうしてだんだんとパソコン、インターネットに触れるのが楽しくなった。大好きになった。

小学校5年生、6年生、そして中学生になった。我が家では自由に出かけることは禁止されていた。また、親が見ていない場でパソコンで遊ぶことも。その頃母親は妹のクラブの試合に出かけることが多かった。父親も祖母の手伝いで出かけていることが多く、週末は家で大体一人だった。試合によっては朝から晩まで一人だった。帰ってきても話すのは妹の話ばかり。私の話は聞いてもらえなかった。
そんな週末は親が居ない隙を狙ってこっそりとパソコンで遊ぶのが大好きだった。そろそろ帰ってくるという時間に慌てて電源を落とした。その頃私はサブカルチャーに夢中になっておりいわゆる「オタク」という人種になっていた。好きな作品の二次創作と言われるものをネットで見るのが大好きだった。ある時から見るだけでは物足りず、自分で二次創作を行うようになった。書いたイラストをイラストサイトに公開しお気に入りされた数が一つでも増えると嬉しくて転げまわった。自分で書いた小説を自分のサイトに公開して、感想、次のリクエストがもらえると泣いて喜んだ。同じように絵を公開している友人たちと互いに次は何を描くという話が楽しかった。
母親や妹はその姿を見て「そんな下手な絵を描くより勉強しろ」「もう中学生なのにそんなにアニメが好きなんて気持ち悪い」と言われた。私が大好きな絵や文章を書いている私のことを肯定してくれるのは、私の趣味を応援してくれた父親とインターネットの世界だけだった。
妹にかかりきりの母親に構ってもらえず、小さな家で一人過ごす寂しさを埋めてもらったのはインターネットだった。

高校生になり一家で引っ越すことになり、地元の友人と離れることになった。それから10年私は実家から離れた都市に就職を機に一人住んでいる。母親とはとあることがきっかけで音信不通になっている。友人たちと電話など直接連絡を取ることはなくなったが今でもお互いどこで何をしているのかを知っている。それはお互いにツイッターのつぶやきを見ながら、つぶやきに返信しながら、元気そうでよかったなと感じているからである。きっと久しぶりに実際に会うことになってもすぐに昔のように話すことが出来るだろう。それはインターネットを通じて「会っている」からだろう。
昔毎日のように触れていたパソコンは、職場で使用する以外、家では電源を入れない日が増えた。むしろ触らない日のほうが多い。その代わりパソコンからスマートフォンに変わり前より手軽にインターネットの広い世界に触れることが出来るようになった。
パソコン時代は、カメラか携帯電話で写真を撮り、一度パソコンへ送ってから取った写真を自分の公開したいサイトへ貼っていた。しかし今はスマートフォンで写真を撮り直接公開することが出来る。手軽に情報を発信、受信することが出来るようになった。昔のように二次創作を公開することは少なくなったが、その代わり自分の好きなこと、好きなものを手軽に写真に撮り様々な人に見てもらう機会は増えた。このブログも私が好きなゲームをいろんな人に知ってもらいたいために始めたものである。
中学時代に自分のコミュニティー内で遊んでいたインターネットはいつの間にか、顔も見たことがない、どこに住んでいるのかも知らない人たちと話す、遊ぶことが増えた。海外の人とお話することもある。私の世界は前よりもっと広がった。
今も小さな一人暮らしの部屋でインターネットに寂しさを埋めてもらっている本質は変わらないが。

インターネットの世界はどんどんと変化をしている。私もこれからも少しずつ触れ方が変わっていきながらもこれからもきっと大切なものなのだろう。
ツールであり、手段であり、仲間であり、友人であり、そして家族である。
私がインターネットと出会って20年。きっと私とインターネットとの歩みはまだ半分。これからどんな姿を見れてくれるのか楽しみにしている。
私はいつか念力で操作できるようになってほしいと思っている。